【パタンナーのなり方ガイド】元大手企業パタンナーが徹底解説!

手作り・パターン

デザイナーが描いたデザイン画を見て「パターン」と呼ばれる型紙を作成する、服作りには欠かせないパタンナーというお仕事。目指している方も多いのではないでしょうか?

この記事では

●パタンナーを目指している方

●服を作る仕事に携わりたいと思っている方

●服飾専門学校に進学しようか迷っている方

このような方のために、元パタンナーの私がパタンナーになるために必要なことを解説していきます。

パタンナーとは何ぞや?という方はこちら「【パタンナーとは?】元大手企業パタンナーがわかりやすく解説!」をご覧ください。

パタンナーに向いている人

テレビドラマなどでたま〜に描写されているパタンナーですが、なんかちょっと怖い感じに写ってませんか?実際にはほとんどの方が職人気質の寡黙な方です。

なんだか言い回しが難しいのですが、一見静かで大人しそうに見えるけど、実は面白くて情熱的な方が多いと感じています。

●服が好き

●手先が器用

●割と几帳面

●研究熱心

●数字に強い

こんな方がいたら、パタンナーに向いているかもしれません。

元パタンナーhana
元パタンナーhana

パターンの線をミリ単位でこだわったり、何かと計算する機会の多い仕事なので数字に強い方が良いと思います。

一番の近道は服飾専門学校

デザイン画を見て型紙を作るパタンナーは、専門的な知識と技術が必要な仕事なので服飾専門学校に入学するのが一番の近道です。

筆者は高校三年生の頃、大学の被服科に進学しようか迷っていましたが「デザイナーやパタンナーになりたいのなら大学ではなく専門学校の方がいい」と高校の担任の先生に言われたので専門学校に入学することに決めました。(たまたま担任の先生が女子大の被服科卒の方だったのです。)

専門学校は大学とは違い、朝から夕方まで授業がみっちり組み込まれています。それに加えて毎日たくさん課題が出るので帰宅してもゆっくり休む暇はありませんでした。(アルバイトを終え、徹夜で課題をこなす日もしばしば…)

hana
hana

学校にもよるとは思いますが、私のいた学校は入学時から卒業時の生徒数が1クラス分減るほどのハードな学校でした。(今はそんなこともないようですが…)

それほど覚えることがたくさんあるってことですね!

必要な資格はないので独学でもなれる

全アイテムのパターンが引けるのが前提なので服飾専門学校で学ぶことをお勧めしましたが、看護師さんや美容師さんのように国家資格があるわけではないので独学でもなれなくはないです。

実際、専門学校を出ずにアパレル企業にアルバイトとして入り、パタンナーのアシスタントとして経験を積みながら勉強してパタンナーになった方にお会いしたことがあります。

hana
hana

専門学校に入らないのならアパレルメーカーにアルバイトとして飛び込んでしまったほうが良いでしょう。しかし独学でジャケットのような難しいアイテムのパターンを習得するのはかなり大変だと思います…

パタンナーになるために最低限必要なスキル

まずは求人情報の概要欄をきちんと確認してほしいのですが、最低限これはできてほしい!というものをいくつか挙げます。

生地の地直し

トワルを組むために必要なシーチングは必ず綺麗に地直ししなくてはいけません。基礎中の基礎ですが、トワルの仕上がりにも直結してくるので普段からきちんと地直しする癖をつけておきましょう。

下物〜上物のパターンが引けること

簡単なスカートはもちろん、ジャケットやコートまでの基礎が頭に入っていたほうが良いです。裏地展開や縫い代付けまでできると理想的です。

アイロンワーク

試験では必ずアイロンワークもチェックされます。たくさん練習しておきましょう。

縫製技術

最低限ミシンの取り扱いは一人でできるようにしておいてください。4面の裏付きジャケットが縫えるくらいだとかなり上出来だと思います。

hana
hana

少し厳しいと思いましたか?

しかし、ジャケットが出題されたらこれくらいは必須なので日々鍛錬するしかないですね!

パタンナーは求人が少ない

がっかりさせるようなことを言ってしまいますが、どんなにパターンの勉強をしても求人がなければ就職はできませんよね。

まず頭に入れておいて欲しいことがあります。

病院や美容室は全国どこへ行ってもたいていありますよね。ですから看護師さんや美容師さんは全国どこに行っても就職のチャンスがあります。

それに比べてアパレルメーカーは都市部に集中し、毎年パタンナーを募集しているわけでもありません。

そうです!パタンナーはそもそも求人が少ないのです。

パタンナーの求人はほとんどが東京で、地方にはほとんど求人がありません。

たとえ地方に求人があったとしても教育にコストのかかる新卒の求人はほとんどないでしょう。

hana
hana

しかも地方のパタンナー求人はほとんどが縫製工場の専属パタンナーの求人で、アパレルメーカーから送られてきたパターンを縫製しやすいように直していくだけのことが多いです。これでは“パタンナー”としては物足りないのではないでしょうか…。新卒ならアパレルメーカーに入社したいですよね!

ですから、服飾専門学校を卒業しても必ずパタンナーになれるわけではないのです。

hana
hana

それと注意してほしいのが、はじめの1〜2年間は販売員として店舗に派遣される会社もあるので求人の概要欄を細かくチェックしてくださいね!このような会社だと他社に入社した同級生とパタンナーとしてのキャリアが単純に1〜2年差がつくことになります。この差は大きいです…。

hana
hana

給与や労働条件はデザイナーもほとんどパタンナーと同じことが言えます。

案外厳しい世界です…

それでも服が好きで楽しんでやっている人はたくさんいると同時に、安月給に耐えられなくて辞めていく人もいます…。ですから、ある程度の年齢を超えると“仕事が本当に好き”という人だけになります。

新卒の採用試験は?

就活は専門学校最後の年にやるのですが、早いところだと4月から始まっていて6〜7月がピークでした。

エントリーシートや履歴書を送ったら試験の始まりです。

hana
hana

エントリーシートでは学生時代の作品の写真とパターン(4分の1縮尺)を提出したり、自分の私服姿のバストアップ写真と全身写真を貼ったりしました。

ファッションのお仕事なのでおしゃれして撮ってください♪

◆筆記試験…いくら専門職とはいえパターンの試験だけではなく、一般教養の筆記試験もありました。

専門学校なら過去問が手に入りますし、先輩方が試験内容を教えてくれるなんてこともあります。

hana
hana

数学で言うと因数分解など、簡単な問題が出題されていたと思います。

個人差ありますが、試験前に数日復習すればOKなレベルでした。

◆実技試験…渡されたデザイン画のパターンを手で引き、トワルを組みます(パターン用紙やシーチング・アイロンなどの必要なものは用意されています)。両身組んでトルソーに着せて終了です。制限時間もあるので失敗しないように落ち着いてやりましょう。

hana
hana

肩パッド入りテーラードジャケットの出題が多いですね。

アイロンワークも重要です。パリッと仕上げましょう‼︎

◆面接…会社によってグループ面接だったり個人面接だったり、複数回あったりします。とにかく笑顔で!笑いが取れたら上出来です。面接官は人事部の方もいますがパタンナーの管理職の方がほとんどなので、面接官に『この人と仕事してみたい』と思わせるのが第一です。

hana
hana

アパレル企業の専門職なので、スーツはありきたりのものではなく自分の個性を入れてしまっても良いかと思います。ちなみに私は自作のパンツスーツで受けました。

あとは採用の連絡を待ちましょう。

hana
hana

あとは祈るだけですね!

中途の採用試験は?

中途採用についてはあまり書くことがありません。なぜなら会社によって様々だからです。

実技試験をやるところもあればやらないところもありますし、社員の紹介で入ってくる場合もあります。すべては実績次第です。

強いて言うなら

●実務経験3年以上

●CADが使える(東レクレアコンポを指定しているところが多い)

●協調性・コミュニケーション能力がある

なんてことが応募の条件として書かれている会社が多いです。

私の場合、2社目を受けた時は実務経験数年ありましたし、履歴書と経歴書を渡して軽く面接しただけで即日合格でした。転職経験のある友人の話を聞いてもこのようなラフな面接であっさり合格するケースは多いです。それが何を物語っているかというと、パタンナーやデザイナーといった専門職はキャリアアップのためや職場の人間関係がうまくいかなかったりでの転職が多く、急に人手不足になることも多いのでけっこう受かりやすいです。

日頃から自分の手掛けた作品の写真やデータをまとめておくと良いと思います。

まとめ

パタンナーになるには服飾専門学校に入学することをオススメします。それが一番の近道だからです。

しかし、服飾専門学校の学費も安いものではありませんので難しいようでしたらアルバイトとしてアパレルメーカーに就職し、アシスタントを何年か続けてパターンの知識を身に付け、自信が付いたら上司に相談してパタンナーの採用試験を受けさせてもらうという方法もあります。

どちらにせよ、かなりの努力が必要ですのでパタンナーを目指している方は本気で頑張って下さい!

技術が身に付けば付くほど楽しい世界です♪応援しています‼︎

hana
hana

そういう私自身もまだまだパタンナーとしてはひよこみたいなもんです。

生地や縫製技術は常に進化しているし、それに合わせてパターンも進化しています。

学ぶことはたくさんありますね!

コメント