「ホルムアルデヒド」という言葉をご存知ですか?
なんとなく触れたら良くない化学物質なのかなぁ…くらいのイメージですかね。
子供の繊細な肌と健康を守るためにも知っておいて欲しいことがいくつかあるので読んでもらえたら嬉しいです。
こちらの記事では
●ホルムアルデヒドについて知りたい
●赤ちゃんや子供の服に付いたホルムアルデヒドを除去したい
●こども達にとって安全な服とは何か知りたい
●こどもが敏感肌である
といった方に、元子供服パタンナーの筆者がホルムアルデヒドと子供服の関係について解説していきます。
ホルムアルデヒドとは
刺激臭のある無色で可燃性がある気体。【化学式:CH2O】 VOC(揮発性有機化合物)の中の1つ。
なんだか難しそうですね…。
ここからは難しい言葉は使わずに簡単にご説明しますね♪
「シックハウス症候群」という言葉でしたら聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか?建材や家具の合板に使用される接着剤に含まれる化学物質が室内に拡散されて、アレルギーを引き起こすものです。その物質の一つが“ホルムアルデヒド”なのです。
そんなホルムアルデヒド。合成樹脂の製造原料・消毒剤・塗料・脱臭剤・界面活性剤・防腐剤・接着剤・医薬品・農薬などにも使用されているので身近な存在ではあるのですが、人体への影響があるため日本では法規制によりその使用を制限しています。
人体にどんな影響があるの?
◆ヒトの粘膜を刺激する
◆目がチカチカしたり涙が出る
◆鼻水が出る
◆のどの渇き・痛みやせきが出る
◆敏感な子供はアトピー性皮膚炎になる
上記は基準内でも起こり得る症状です。
基準値を超えるとガンや肺炎の恐れがあるなかなか危険な有害物質なのです!
このホルムアルデヒド、もちろん安全な量までしか使用していないことが前提ですが、洋服や布バッグなどの防縮・防しわ加工で使われていることが多いです。買ったばかりの服がパリッとしているのは加工が施されているからなのです。そしてその服に付着したホルムアルデヒドは空気中に拡散されているのです。
ビニールで個別包装されている子供服が多いのは、ホルムアルデヒドから服を守るためだったんです!今度パッケージをよく見てみてください。「ホルムアルデヒドによる汚染を防止するため袋に入れてあります」などの注意書きが書いてあると思います。
とは言うものの…、子供服全てがこのように個包装はされていませんよね。それはなぜなのか?
それはホルムアルデヒドはあることをすればかなり落とすことができるからです!
次はホルムアルデヒドの落とし方について解説していきます。
ホルムアルデヒドの落とし方
ホルムアルデヒドは水によく溶けます。
ですから着る前に洗濯すればオッケーなのです‼︎実に簡単ですね。
一回洗濯するだけで約95%のホルムアルデヒドが除去できるそうです。
服を買ったらとりあえず洗う!を習慣化してしまいましょう♪
対策がとっても簡単で安心しましたか?しかし、まだ注意してほしいことがあるのです!
大人の服や家具などからの移染を防ぎましょう
洋服などの防しわ加工などに使われるホルムアルデヒド。先ほど法律で規制されていると述べましたが、年齢によって規制値が違うのです。
対象繊維製品 | 規制値 | |
---|---|---|
乳幼児用(生後24ヶ月以内) | 繊維製品(おしめ、おしめカバー、よだれかけ、下着(シャツ、パンツ、ズボン下等)、中衣(ワイシャツ、ブラウス等)、外衣(スーツ、セーター、スカート等)、手袋、靴下、寝衣(ねまき、パジャマ等)、寝具(枕、布団、毛布等)、帽子) | 所定の試験方法で吸光度差0.05以下又は16ppm以下 |
子供用・大人用 | 繊維製品(下着(シャツ、パンツ、ズボン下等)、手袋、靴下、寝衣(ねまき、パジャマ等) | 75ppm以下 |
赤ちゃんはすぐに物を口に入れたり舐めたりするし、皮膚が弱くアレルギーを起こしやすいため厳しい規制が定められていますが、3歳以上だとその規制がグンと緩められていますね。しかし、3〜5歳くらいだってまだまだ口に入れちゃう子はいますよね…。個人的には子供服全般もっと規制してよ!と思ってしまいます…。
服から服への移染を防ぎましょう
前置きが長くなりましたが、赤ちゃんの服に比べて3歳以上の服にはこれだけ多くのホルムアルデヒドが使用されている可能性があるので、洗濯した服と買ってきたばかりの服を近づけないでください。
例えば、ママが新品のワンピースを洗濯せずにそのまま着て子供を抱っこしたら、子供服にホルムアルデヒドが移染してしまいますので大人の服も洗濯してから着ることをオススメします!
ちなみに繊維によって移染のしやすさが変わってきます。
●移染しやすい繊維
絹、毛
●どちらともいえない繊維
綿、レーヨン、ナイロン
●移染しにくい繊維
アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン
家具から服への移染を防ぎましょう
そして忘れてはいけないのが服を収納する家具です!
先ほどホルムアルデヒドは合板に使われていると述べましたが、洋服ダンスも合板で作られていることが多いです。ということは、買ってきてそのまま服を入れてしまうと、せっかく洗濯した服にホルムアルデヒドが移染してしまうかもしれません!
そうならないためにもベビー用のタンスを買うか、洋服ダンスに服を入れる前にタンスをよく水拭きして部屋の換気をしましょう。
スタイやベビー服のハンドメイドはやめた方がいい⁉︎
フリマアプリや個人の販売サイトを簡単に立ち上げられる昨今。ご自身でハンドメイドしたベビー服やスタイなどを販売している方もたくさんいるかと思います。
もちろんこれまで述べてきたことをしっかり心得て営業されている方がほとんどだとは思いますが、中には何も知らずにホルムアルデヒドの対策もせずに販売している方もいるのではないでしょうか。
上記したように、24ヶ月以下の乳幼児の服やスタイなどに何のデータもないようないい加減な生地を使用してはいけないわけです。もっと言えば、ホルムアルデヒドの移染を防ぐために使用するミシンや作業台、生産者の作業着等にまで気を付けなければいけないのです。
ベビー服はこのように生産者に課せられる課題が多いため、アパレルメーカーですらなかなか参入しにくいのです。
もしお客様にアレルギー症状が出てしまったら責任問題にもなりかねないので本当に気を付けてくださいね!徹底した管理ができないのであればやらないorターゲット年齢を3歳以上にする方が良いと思います。
まとめ
服だけでなく身の回りの様々なものに付着するホルムアルデヒドからどう子供を守るか。
気を付けなければいけない事はたくさんありますが、習慣化してしまえばそこまで難しい話でもありませんよね。
また、今回の記事は「大げさじゃない?」と思われる方もいると思います。確かに何も対策しなくてもほとんどの子供にとってホルムアルデヒドの影響はないでしょう。しかし、こういうものって積み重なっていくものだと思うのです。食べ物や環境など、様々な方面から少しずつ体に有害物質が蓄積される。そして歳をとった時に差が出てくる。できる対策はやるに越したことはないと思いませんか?
かわいい子供のために、少しだけ覚えておいて頂けると嬉しいです。
今回の内容をママ友など、身近な方とぜひ共有してくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました♪
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